ジャパン・ウォーゲーム・クラシックス-入門用ウォーゲームの決定版-

ジャパン・ウォーゲーム・クラシックス第4弾「バルジ大作戦」
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日本機動部隊-問われるのは、機動部隊司令官としての貴殿の判断力

■JWC(ジャパン・ウォーゲーム・クラシックス)─『日本機動部隊』─リプレイ

■『日本機動部隊』プレイ・レポート

 対戦の舞台となったのはコマンド・マガジン編集部。雌雄を決するのは(何の?)、中学生時代、掃除当番をさぼって発売日に『日本機動部隊』を購入しに行った思い出を持つ編集長(日本軍)と、小学6年生の時、「真珠湾攻撃」シナリオをトーナメントで遊んでいたというa-game店長(米軍)だ。シナリオは「珊瑚海海戦」。以下は学生時代を彷彿させる、会社の昼休みを用いてのプレイの記録である。

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 「あれだよ、珊瑚海海戦では日本軍は戦術的に勝ったけど、戦略的には負けた。だから、戦術的に負けなくて戦略的に勝てばいいんだよ。慎重にやるよ」と日本軍の作戦方針を語る編集長。

 『日本機動部隊』には、敵艦船に対する損害を与えることで得られる「戦術ポイント」と、そもそもの艦隊任務を達成できたかどうかで得られる「戦略ポイント」がある。珊瑚海海戦では、日本軍はポート・モレスビーの攻略を、米軍はその阻止を目的としていたので、輸送船団が上陸できる状況を整えられれば日本軍に、できなければ米軍にそれぞれ戦略ポイントが与えられる。空母戦を回避してでも戦略ポイントを得ようというのが日本軍の作戦のようだ。〈瑞鶴〉〈翔鶴〉を同じ艦隊にまとめて、CAPの効率的な運用を図る。

 一方の米軍は空母ごとに艦隊を分け、リスク分散を図る。「いやあ、一度に空襲を受けたら米軍は危ないので」と店長。にこやかな表情を浮かべるが、目は笑っていない。

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 初日、両軍は互いに牽制しつつ艦隊を移動させる。日本軍は、輸送船団とおぼしき海域に艦隊マーカーを3個、残り9個を米軍初期配置ライン近くに配置した。輸送船団の位置が丸わかりなら、また初日に接触される恐れがないなら、こんな中途半端なことはせず、艦隊マーカー11個を米艦隊に差し向けるべきではないかと思ったが、観戦者の立場なので口をつぐむ。

 「敵艦隊発見! 空母は見えず」

初日、日本軍は米艦隊を発見。夜になる直前の攻撃だからと言って、空母の位置が露呈するのを覚悟で攻撃隊を出撃。

▲初日、日本軍は米艦隊を発見。夜になる直前の攻撃だからと言って、空母の位置が露呈するのを覚悟で攻撃隊を出撃。

 初日、夕暮れが迫る中、旗艦〈翔鶴〉艦橋に索敵機からの報告が飛び込む。恐らく、敵のピケット駆逐艦であろうが、日本軍は躊躇わずに出撃を下命する。

 「ち、ちょっと。日本軍は慎重にやるんじゃなかったんですか」

 さすがにアレなので、疑問が思わず声になる。攻撃半径は5ヘクス、攻撃隊を送れば、機動部隊の位置は丸わかりである。

 「どうせ夜になるしな。見敵必戦の精神だよ」ガハハ、の高笑いに続いて艦隊マーカーをめくれば二桁の数字。駆逐艦隊だった。日本軍は駆逐艦2隻を撃沈(1VP)した。主力ではなく、〈祥鳳〉艦載機による攻撃だった。

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夜明け、二日目が始まった状態。米軍は手堅く空母を分散、最後まで発見されることなく、日本艦隊を翻弄したのだった。
▲夜明け、二日目が始まった状態。米軍は手堅く空母を分散、最後まで発見されることなく、日本艦隊を翻弄したのだった。

 二日目、夜明けと共に両軍は索敵機を飛ばす。日本軍の艦隊は密集、米軍はそれを包み込むように展開している。朝一番の索敵は両軍とも不発に終わったが、第2陣の索敵機が敵艦隊発見を告げる──今度は、米軍側が発見した!

 「敵艦隊発見、空母は見えず」

 米軍は日本軍の艦隊3個を発見した。艦隊編成シートを見ると、輸送船団を除けば主力機動部隊、〈祥鳳〉、駆逐艦隊の3個しかない。全て、発見したわけである。しかし、どの索敵機も空母の姿を確認していない。

 そして運命の爆撃フェイズ。このフェイズではダイスを振り、少ない目を出したプレイヤーが先に行動しなければならない。

 ただし米軍は、甲板に戦闘機を並べておけば、先に行動したとしても、日本軍の行動後にCAPを行わせることができる。ダイス振りの結果、日本軍が先に爆撃することとなった。

 「零戦を上げるべきか否か……。攻撃される確率が3分の1なら、俺は3分の2にかける」

日本軍の判断ミス、あるいは「運命の5秒間」。〈瑞鶴〉は轟沈、〈翔鶴〉も艦載機の誘爆によって爆沈。米軍プレイヤーの的確な判断と作戦が、勝利をもたらしたのだった。

▲日本軍の判断ミス、あるいは「運命の5秒間」。〈瑞鶴〉は轟沈、〈翔鶴〉も艦載機の誘爆によって爆沈。米軍プレイヤーの的確な判断と作戦が、勝利をもたらしたのだった。

 日本軍は甲板に艦載機を並べたまま、米軍の出方を待つことにした。半数上げるとか、全機上げてこのターンは凌いで、次のターンにかけるとか、少しは悩めや。5秒で決断は早すぎるで、と思っても言えないのが宮仕えの悲しさ。

 店長の明るい「そーれ」のかけ声でめくられた艦隊マーカーは栄光のNo. 1。甲板に艦載機を満載した〈瑞鶴〉〈翔鶴〉の真上から、ドーントレスが降ってきたのだった。1隻は轟沈、もう1隻は中破だったが、艦載機の燃料に引火、誘爆を起こして2隻とも珊瑚海に姿を没した。日本軍は戦術的にはもちろん、戦略的にも敗北したのだった。

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 「ミッドウェイで4隻失う代わりにここで2隻沈むだけで済んだんだ。この後、日本軍は慎重になって、きっと連戦連勝だよ。その意味では究極的には戦略的勝利を収めたと言わざるを得ないよね」

 「ゲームの向こう側にあるものに目を向けなくてはいけませんよね」と笑顔で応えつつ、(お前はリアル日本軍か)と心の中でつぶやき、応接室を後にしたのだった。

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